「坪単価60万円!」その数字、本当に信じて大丈夫?
家づくりを始めると、必ずと言っていいほど目にする「坪単価」という言葉。チラシやウェブサイトに書かれたこの数字を見て、「お、この会社は安いかも!」「こっちは高いな…」と、一喜一憂していませんか?
もし、あなたが「坪単価」を業者選びの重要な基準にしているなら、大変危険なサインです。なぜなら、家づくりにおける「坪単価」ほど、あてにならない数字はないからです。
同じように、断熱性能を示す「UA値」や、気密性を示す「C値」といったスペック(性能値)。もちろん、これらも快適な家のためには大切な要素です。しかし、これらの数字だけを比較して「こっちの会社の方が性能がいい」と判断するのも、家づくりの本質を見誤る原因になります。
この記事では、なぜ、こうした単純な数字比較が危険なのか、そして、数字の代わりに本当に大切にすべき「3つのこと」について、あなただけにお伝えします。
坪単価という「ブラックボックス」の罠
なぜ、坪単価はあてにならないのでしょうか?理由はシンプルです。
坪単価には、業界で統一されたルールが一切ないからです。
例えば、坪単価を計算する際の「本体工事費」に何を含めるかは、業者によってバラバラです。照明器具やカーテン、屋外の給排水工事などが含まれていないケースはザラにあります。また、そもそも計算の元となる「延床面積」に、ベランダや吹き抜け、玄関ポーチなどを含めるかどうかも、業者次第なのです。
つまり、A社の「坪単価60万円」とB社の「坪単価70万円」を比べても、リンゴとミカンを比べているようなもので、全く意味がないのです。むしろ、安い坪単価を謳っている業者は、後から「オプション工事」として、どんどん追加料金を請求してくる可能性すらあります。
スペック比較が「暮らしの満足度」に直結しない理由
では、UA値やC値といった、明確に定義された「性能値」ならどうでしょうか。もちろん、数値が高い方が、家の性能が良いのは間違いありません。しかし、その性能が、あなたの「理想の暮らし」に本当に必要かどうかは、また別の話です。
例えば、極端に高い断熱性能を追求した結果、窓が小さく、開放感のない家になってしまったら?
最新の全館空調システムを入れたけど、メンテナンス費用が高くて、結局あまり使わなくなってしまったら?
それは、本当に「満足度の高い家」と言えるでしょうか?
スペックの追求は、時として「家族がどう暮らしたいか」という目的を見失わせる麻薩のようなものです。私たちは、スペック競争のゲームに勝つために家を建てるわけではないのです。
家づくりで本当に大切にすべき、3つのこと
では、私たちは、数字の代わりに何を信じればいいのでしょうか?
それは、あなたが家づくりを始める前に決めたはずの、「私たち家族にとって、本当に大切なこと」です。
もし、あなたがまだそれを見つけられていないなら、ぜひ「夫婦で価値観を共有する魔法の質問リスト10」を試してみてください。
その上で、すべての家づくりに共通して言える「本当に大切にすべき3つのこと」を、私たちの哲学としてお伝えします。
- その家で「どんな笑顔」が生まれるか?
子供が駆け回る笑顔、夫婦で語り合う笑顔、友人を招く笑顔…。「間取り」や「デザイン」を考えるとき、常に「笑顔」を想像してください。詳しくは、私たちの間取りと性能の教科書で解説します。 - そのお金の使い方は「未来への投資」になっているか?
目先の安さにとらわれず、光熱費やメンテナンス費といった、30年後まで含めたトータルコストで考えましょう。また、その家が家族の健康や成長に繋がるなら、それは最高の「投資」です。詳しくは、土地とお金の教科書で。 - その業者を「パートナー」として信頼できるか?
家づくりは、業者との長い付き合いの始まりです。スペックや価格だけでなく、あなたの家族の「想い」をしっかりと受け止め、同じ方向を向いてくれる「人」かどうかを見極めることが、何よりも重要です。
まとめ:数字の呪縛から、自由になろう
坪単価やスペックという、一見分かりやすい数字は、とても魅力的に見えます。しかし、その数字の裏側にあるものを見ようとせず、思考停止に陥ってしまうと、家づくりは必ず後悔の道へと進みます。
大切なのは、数字に振り回されるのではなく、あなた自身の「価値観」というコンパスを持つこと。そして、そのコンパスを信じて、一緒に歩んでくれるパートナーを見つけることです。
もしあなたが、「本質的な家づくり」に興味を持ってくださったなら、ぜひ、私たちの家づくりの全体像を描いた、こちらの記事もご覧ください。あなたの家づくりが、もっと自由に、もっと楽しくなるヒントが満載です。