はじめに:あなたは、なぜ家を建てるのですか?
家づくりを始めるとき、多くの人は「どんなキッチンにしようか」「リビングは何畳にしようか」といった「What(何)」から考えてしまいがちです。しかし、本当に大切なのは、そのもっと手前にある「Why(なぜ)」の問いです。
あなたは、なぜ家を建てるのでしょうか?
ゆうやんの体験談:5歳で学んだ「命」と「家族」の重み
私、ゆうやん(サンタ王)は5歳の時、石垣から落ちて3日間生死の境をさまよいました。両親は「自分の命と引き換えにしてくれ」と医師に懇願したそうです。その時から、私は「家」とは単なる建物ではなく、家族の愛が形になったものだと体の奥底で理解していたのかもしれません。
21歳で独立起業し、38歳で地域No.1の工務店を築きましたが、病気による入院中に会社を乗っ取られ、全てを失いました。しかし妻の「あなたの誠意は皆知っている」という言葉に救われ、再起できたのです。この経験から確信しました。家づくりの本質は「家族の心」を建てることなのだと。
最新の設備や広い部屋も素晴らしいものですが、それらはあくまで「家族の幸福」という目的を達成するための手段に過ぎません。この最初の問い、つまり「家づくりの哲学」を家族全員で深く共有できていなければ、どんなに立派な家を建てても、本当の意味で満足することはできないのです。この章では、技術や間取りの話の前に、家族が本当に幸福になるための「心」の持ち方について、一緒に考えていきましょう。
家は「買う」ものではなく「家族で育てる」もの
家は、完成した瞬間に価値が最大になる「製品」ではありません。家族が暮らし、笑い、時には涙し、共に成長していく中で、少しずつ「我が家」というかけがえのない場所に育っていくものです。傷や汚れも、家族の歴史を刻む勲章になります。
だからこそ、完璧を目指しすぎないでください。最初から100点満点の家はありません。むしろ、少し余白を残しておくくらいが丁度いいのです。子どもの成長に合わせて部屋を仕切ったり、趣味に合わせて壁をDIYで塗り替えたり。そんなふうに、家族の変化に合わせて家も変化していける「可変性」こそが、長く愛せる家に繋がります。
「家族の対話」こそが、最高の建材である
ゆうやんの体験談:母の病が教えてくれた「対話の大切さ」
小学3年生の頃、母が精神疾患を患いました。新築の家に引っ越し、全員に個室ができた頃です。母は「嫁姑問題が解決できそう」と期待していましたが、個室ができたことで家族が孤立し、お互いに話ができなくなってしまったのです。
中学時代、私は完全に自室に引きこもり、父との会話もなくなりました。この経験から学んだのは、「何気なく話せる場所」の重要性でした。だから今、私は全てのお客様に「家族との対話」を最優先にすることをお勧めしています。
家づくりは、家族の価値観を再確認し、未来について語り合う、またとない機会です。
- 休日の朝は、どんなふうに過ごしたい?
- 家族が自然と集まる場所は、どこだろう?
- 一人の時間が欲しいとき、どこでどう過ごしたい?
こうした対話を重ねる中で、家族それぞれが大切にしていることが見えてきます。その「大切にしたいこと」の集合体が、あなたの家族だけの理想の間取りになるのです。設計士との打ち合わせ以上に、家族との対話に時間をかけてください。それこそが、どんな高価なものよりも優れた、最高の建材となります。
まとめ:すべての答えは、あなたの中に
私たちは、家づくりのプロとして、長年の経験と知識を持っています。しかし、あなたの家族にとっての「正解」を知っているのは、私たちではありません。あなた自身と、あなたの家族だけです。
私たちの役割は、あなたの心の中にある漠然とした「理想の暮らし」を、専門的な知識と技術で翻訳し、具体的な形にすること。そして、その過程で起こりうる失敗や後悔から、あなたを守ることです。さあ、私たちと一緒に、心から始まる、本当の家づくりを始めましょう。
もっと詳しくゆうやんの家づくり哲学を知りたい方は、「心を建てる家づくり」の全文はこちら
