あなたの周りに、誰も住んでいない家はありませんか?
庭の草が伸び放題になった一軒家。カーテンが閉め切られたままのアパート。私が住宅コンサルタントとして全国を回る中で、こうした光景を目にしない日はありません。
しかし私は、この「空き家」という存在にこそ、これからの住まいの可能性が眠っていると考えています。
今回は、増え続ける空き家と「贈与型賃貸」という新しい仕組みを掛け合わせることで、住まいの選択肢がどう広がるのかをお伝えしていきます。
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空き家1000万戸時代の到来
総務省の「住宅・土地統計調査(2023年)」によると、日本の空き家は約900万戸に達しました。このペースで推移すれば、2030年前後には1000万戸を超えるとの予測もあります。
「空き家って、地方の過疎地の話でしょ?」
そう思われるかもしれません。しかし実態は違います。東京都内でも空き家率は10%を超える区があり、大阪・名古屋などの大都市圏でも空き家の増加は顕著です。つまり、これは地方だけの問題ではなく、日本全体が向き合うべき課題なのです。
放置された空き家がもたらす影響は深刻です。
– 防犯上のリスク: 不法侵入や放火の温床になる場合がある
– 景観の悪化: 周辺の不動産価値を下げる要因になり得る
– 倒壊の危険: 老朽化が進み、台風や地震で周囲に被害を及ぼす可能性がある
空き家は「放っておけばいずれ何とかなる」ものではありません。むしろ、時間が経つほど選択肢が狭まっていくのが現実です。
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2024年法改正の衝撃:空き家を放置できない時代へ
2024年4月、不動産に関わる大きな法改正が施行されました。相続登記の義務化です。
これまでは、親から相続した不動産の名義変更をしなくても罰則はありませんでした。その結果、「誰のものかわからない空き家」が全国で増え続けていたのです。
しかし改正後は、相続を知った日から3年以内に登記申請を行わなければ、正当な理由がない場合には10万円以下の過料が科される可能性があります。
さらに注目すべきは、管理不全空き家に対する固定資産税の優遇措置の見直しです。
これまで住宅が建っている土地には固定資産税の軽減措置(最大6分の1)が適用されていました。しかし2023年の空家等対策特別措置法の改正により、管理が不十分と判断された空き家(管理不全空家)は、この軽減措置の対象から除外される場合があります。つまり、固定資産税が実質的に最大6倍に跳ね上がる可能性があるのです。
「持っているだけで負債になる」──空き家を取り巻く状況は、着実にそういう方向へ動いていると言えるでしょう。
だからこそ今、必要なのは発想の転換です。
「負の資産」を「正の資産」に変える方法はないか?
その答えの一つが、中古住宅と贈与型賃貸の組み合わせだと私は考えています。
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中古住宅×贈与型賃貸の3つのインパクト
1. 経済的自由:物価高時代の暮らしを守る
2024年以降、建築資材の高騰や人件費の上昇により、新築住宅の価格は上がり続けています。住宅ローンの金利も、長期固定型を中心に上昇傾向にあります。
「マイホームは欲しいけれど、今の価格帯では手が出ない」
こうした声を、私のもとにも数多くいただくようになりました。
ここで注目していただきたいのが、中古住宅の活用です。
国土交通省の調査によると、中古住宅の取引価格は新築と比較して3〜5割程度低い傾向にあります(※立地・築年数・状態により大きく異なります)。同じ予算でも、中古住宅であればより好条件の物件に手が届く場合があるのです。
さらに贈与型賃貸の仕組みを活用すれば、住み始めの初期費用を大幅に抑えられる可能性があります。通常の住宅購入で必要となる頭金や諸費用の負担が軽減されるため、物価高・金利上昇の時代でも家計を守りながら住まいを確保できる選択肢になり得ます。
「新築でなければならない」という思い込みを手放すだけで、住まいの選択肢は一気に広がります。
2. 理想の立地:タイパと心のゆとり
新築を建てるとなると、土地の選択肢が限られることが少なくありません。駅から徒歩圏内や人気の学区内といった好立地では、すでに建物が建っているケースがほとんどだからです。
一方、中古住宅であれば、すでにそうした好立地に存在している物件を選べる可能性があります。
– 駅から徒歩10分以内の物件
– 評判の良い学区内の戸建て
– スーパーや病院が徒歩圏にある便利な立地
これらは新築では手に入りにくくても、中古市場では見つかる場合があります。
通勤時間が30分短くなれば、1日1時間、1年で約250時間の余裕が生まれます。その時間を家族との団らんに使えると考えたら、立地の持つ価値は金額以上のものがあるのではないでしょうか。
また、中古住宅が建つエリアはすでにインフラが整備され、地域コミュニティも形成されています。新興住宅地にありがちな「周辺に何もない」「近所付き合いがゼロからのスタート」という不安を感じにくい点も、見落とされがちなメリットです。
3. 自由なリノベーション:未来基準の家
「中古住宅って、古くて住みにくいんじゃないの?」
そうしたイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、今のリノベーション技術をもってすれば、中古住宅を新築同等、あるいはそれ以上の性能に引き上げることも不可能ではありません。
特に注目したいのが、以下のような性能向上リノベーションです。
– 断熱改修: 壁・窓・天井の断熱材を最新仕様に更新し、冷暖房効率を高める
– 耐震補強: 現行の耐震基準を満たすよう構造を強化する
– 間取り変更: ライフスタイルに合わせた自由な空間設計
贈与型賃貸の物件の中には、入居者によるDIYやカスタマイズを許容しているケースもあります。「自分好みの住まいをつくりたい」という願いを、新築を建てなくても実現できる可能性があるのです。
古い家を「未来基準」の住まいに生まれ変わらせる。これこそ、中古住宅×リノベーションの醍醐味だと私は感じています。
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三方よし:入居者・オーナー・地域社会のWin-Win-Win
中古住宅×贈与型賃貸の仕組みが優れているのは、関わるすべての人にメリットが生まれ得る点です。
入居者のメリット
– 住宅ローンを組まずに理想の暮らしを始められる可能性がある
– 贈与型の仕組みにより、将来的に資産として手元に残る場合がある
– 初期費用を抑えた分、リノベーションや暮らしの質に投資できる
オーナー(空き家所有者)のメリット
– 管理の手間から解放される
– 固定資産税の優遇措置が維持できる可能性がある(※管理状態による)
– 放置による倒壊・近隣トラブルのリスクを軽減できる
– 入居者からの賃料により安定した収入を得られる場合がある
地域社会のメリット
– 空き家が減り、街の景観と安全性が向上する
– 新しい住民が加わることで、地域コミュニティが活性化する
– 地域の商店や公共施設の利用者が増え、経済の好循環が生まれる可能性がある
日本の近江商人が大切にした「三方よし」──売り手よし、買い手よし、世間よし──の精神が、まさにこの仕組みに宿っていると私は感じています。
一人ひとりの「住まいの課題」を解決することが、そのまま社会全体の課題解決につながる。これほど意義のある取り組みは、なかなかありません。
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まとめ:空き家は「問題」ではなく「可能性」
増え続ける空き家。厳しくなる法規制。上がり続ける住宅コスト。
一見すると暗い話題ばかりに思えるかもしれません。しかし視点を変えれば、これらはすべて新しい住まい方が求められているサインです。
中古住宅×贈与型賃貸は、空き家問題の解決策であると同時に、住まいにまつわるさまざまな課題──費用、立地、自由度──を一度に解消し得る可能性を秘めています。
「空き家は負の遺産」から「空き家は宝の原石」へ。
その発想の転換が、あなたの住まい選びを根本から変えるかもしれません。
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贈与型賃貸の全貌を知りたい方へ
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*※本記事の内容は2026年3月時点の情報に基づいています。法制度・税制・不動産市場の状況は変動するため、具体的なご判断の際は税理士・弁護士・不動産の専門家にご相談ください。*
*※記事中の数値や事例は一般的な傾向を示すものであり、個別の状況により結果は異なります。投資・購入の判断はご自身の責任において行ってください。*